ストレッチのメリット7選~現代社会の救世主的習慣~

ストレッチのメリット7選

ストレッチとは身体を伸ばすということですが、ネコやイヌなども本能的にやっているごく自然な運動です。
習慣的なストレッチは身体に良いということが良く言われますが、どんなメリットがあるかご存知ですか?
ここでは数あるストレッチのメリットの中から、当協会が選び抜いた7つの効果をお伝えいたします。

No.1 炎症を抑制しアンチエイジング効果が期待できる

ストレッチの効果として最近注目されているのが『レゾルビン』の分泌です。
このレゾルビンという物質は、全身の炎症を抑制することでアンチエイジング効果を発揮します。
また、関節炎など局所の炎症にも効果があることが報告されています。

レゾルビンはお魚や植物油から摂れる多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)が材料となっています。
身体の中で生成されたレゾルビンがストレッチにより分泌されるのです。

レゾルビンは炎症細胞の浸潤や炎症誘発性物質の放出を阻害し病変の厚さや断面積を縮小させ、免疫細胞である好中球の数を減らす

Berrueta et al.2016

気づかない程度の微小かつ慢性的な炎症が老化や生活習慣病の原因となっています。
ストレッチをして全身の炎症を抑制することで、コツコツとアンチエイジングしていきましょう。

詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

NO.2 血流を改善して生活習慣病を予防できる

ストレッチをすると血行がよくなることはよく知られています。
これは血管の最も内側にいる血管内皮細胞の働きによるものです。

ストレッチにより血管が伸ばされると一時的に虚血状態になります。
すると血管内皮細胞からは『HIF1α』や『VEGFA』、『eNOS』といった物質が分泌されます。
このHIF1αのメカニズムは2019年のノーベル生理学・医学賞のテーマとなったものです。

これらの作用により酸素を運ぶ赤血球の数が増えたり、血管が拡張したり、新しく血管が生まれたりするのです。
まさしく血流が改善し、全身の組織に必要な酸素や栄養素、各種ホルモンなどが行き届くようになるわけです。

微小血管容積、筋肉繊維あたりの毛細血管の数、および低酸素誘導因子-1α、血管内皮増殖因子、および内皮一酸化窒素合成酵素のレベルは、ストレッチ側で有意に高く、筋肉の毎日の受動的ストレッチングが内皮依存性の血管拡張を促進し、血管新生を誘導する。

Hotta et al.2018

肥満やメタボリックシンドロームのように、生活習慣病のリスクがあると血管がボロボロになります。
メタボリックドミノといって、放置すると脳卒中や心筋梗塞、糖尿病3大合併症に繋がります。
ストレッチをして血管を健康に保つことで生活習慣病を予防しましょう。

詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

No.3 血糖値を下げて糖尿病を予防・改善する

血流が改善されるだけでなく、ストレッチには血糖値を下げる働きがあります。
高血糖(血液中のブドウ糖が過剰)が糖尿病の原因となることは当然ですが、そのメカニズムは『糖化』という反応によります。

糖が存在するだけで、自然にタンパク質に糖が沈着します。
これは『メイラード反応』として知られていますが、フライパンで肉を焼くと茶色く変色する仕組みと全く同じです。
糖化が進むと『終末糖化産物(AGEs:エイジス)』という状態となり、体の至る所に炎症を引き起こします。
全身のどこで症状が出てもおかしくなく、すべての機能が低下します。
これが糖尿病です。

酸素を運ぶヘモグロビンも当然のように糖化します。
ヘモグロビンは長く血液中の糖と一緒に存在するため、血液検査で糖化の程度を調べることができます。
これを『HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)』と言います。
HbA1cが6.5以上になると糖尿病と診断されます。

8週間のストレッチ習慣は、糖尿病患者さんのHbA1cを7.4から6.8に下げることができたと報告されています。
血糖値を下げるホルモン『インスリン』の働きが悪くなる『インスリン抵抗性』があるにも関わらず、この改善は驚きです。
そのメカニズムにはブドウ糖を細胞に取り込む『GLUT4』の活性化があります。

8週間の受動的スタティックストレッチング群は非ストレッチ群に比べ、糖化ヘモグロビン値が有意に減少させる。

Park 2015

詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

No.4 スポーツや日常生活動作のパフォーマンスアップと障害予防

運動部に所属されていた方なら当然のように準備運動としてストレッチをされたかと思います。
ストレッチをした後とその前では身体の軽さが全然違うとわかるでしょう。
ここで重要なのは、筋肉は伸ばすことで筋肉の持つベストパフォーマンスを引き出すことができるということです。

私たちは仕事や家事、学校の授業などで一定の姿勢を保つことが多く、筋肉が縮こまった状態でじっとしています。
じっとしていると筋肉をはじめ、周囲の結合組織(筋膜や関節包、皮下組織など)がコチコチに固まってしまいます。
こうすると血液の流れが悪く、筋肉も力が入りにくく、関節も動きにくい状態となってしまいます。

特に筋肉は自然の長さでいる時に初めて最大の力を出すことができます。
縮みきった状態や伸びきった状態というのは力が出にくいのです。
このような状態ではスポーツ動作や日常生活動作のパフォーマンスが阻害されてしまうばかりか怪我をしてしまう危険性もあります。
継続的なストレッチをすることで、これらの組織の伸張性が改善され、ベストパフォーマンスが発揮できます。

ただし、一度に強く長く伸ばすのは危険です。
かえって力が出にくくなるので、一度のストレッチは気持ち良い程度の力で20秒以内にしましょう。
ストレッチは微量ながら活性酸素を発生させてしまいます。
適度な刺激であればこの活性酸素(X-ROS)はホルミシス刺激となって障害予防効果を発揮します。
これも2021年にノーベル生理学・医学賞のテーマとなった『TRPチャネル』と『Piezoチャネル』によるメカノトランスダクションのメカニズムが関与しています。

詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

No.5 疲れ知らずの身体作り

ストレッチを習慣化すると、少しの疲れでも身体の動きの変化を感じることができます。
なんだか重い、あれ?調子が悪いなと感じたら、すぐにストレッチをして復元することができます。
つまり、自分の基準を知ることができるのです。

上述したように調子の悪い時は絶対にベストな結果を出すことはできませんし、無理をすると怪我のもとです。
少しでも違和感を感じたら、まずはストレッチをして様子をみてみましょう。
改善が得られればもちろん最高ですし、改善しないようならもっと大きな問題があるかもしれません。
まずはご自身の基準を作るためにストレッチを習慣化しましょう。

No.6 肩こりや腰痛、重大な疾患の予防

肩こりや腰痛の原因の多くが、『スパズム』と呼ばれる筋・筋膜性の問題です。
筋肉はいつもわずかながら緊張しています。
立っている時も座っている時も、寝ている時でさえも緊張しています。

筋肉に緊張を与えるように命令を出しているのが脊髄です。
そして緊張を抑えるように調節しているのが、脊髄より上位にある脳です。
脳の働きにトラブルが生じると筋肉の緊張が強くなりカチンコチンになってしまいます。
例えば脳梗塞の方が腕を曲げていますが、あれは筋肉の緊張を抑える能力が低下しているためです。

さて、この筋肉の緊張ですが、長時間緊張の強い状態が続くと筋肉の細かい線維に流れるはずの血流が悪くなり、痛みを生じます。
ここでストレッチの登場です。
筋肉の線維や周囲の組織が伸ばされることで組織間にゆとりができ、血流が回復して痛みを軽減できます。

また、ストレッチには筋肉の緊張を緩める効果があります。
これを『Ⅰb抑制』といいます。
筋肉に緊張を与えている脊髄の神経に直接的に抑制の命令を出すことができるのです。
中枢である脳の機能が落ちてもなお緊張をコントロールできるなんて、ストレッチはすごいですね。

No.7 美しい姿勢作り

姿勢というのは自然体でこそ美しく、次の行動に移す際の動作もスムーズに行えるのが理想的です。
近年、誤ってお尻をプリッと突き出したり、妙に背筋を伸ばしたりする姿勢が流行りましたが、これらは怪我につながります。

なぜなら、このような姿勢は背中や股関節前面の筋肉が過剰に働いた状態だからです。
過剰な筋肉の緊張は上述したスパズムを作りだすばかりか、関節の位置を悪くしてしまいます。
また、ダラっとした姿勢やポッコリお腹のような姿勢は体幹のインナーマッスルが働きにくい状態になります。

ストレッチをするとこうした悪い姿勢を改善させることができます。

まず、お尻を突き出したり背筋を伸ばし過ぎた姿勢ですが、これは上述した肩こりや腰痛と同じメカニズムです。
緊張している背中の筋肉や股関節前面の筋肉を伸ばす必要があります。

次に、ダラっとした姿勢やポッコリお腹になってしまうのは関節を安定させる働きであるインナーマッスルが弱っているからです。
代わりにアウターマッスルや靭帯などの組織が関節を固め姿勢を維持しています。
靭帯だけで関節を支えすぎると、その靭帯は伸びてしまい関節が不安定となり、痛みの原因にもなります。
(例えば仙腸関節痛)

ストレッチをするとともに、お腹を凹ませる腹横筋トレーニングなどを行えば美しい姿勢を作ることができます。
いずれにしてもストレッチが重要というわけですね。

詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

 

以上、ストレッチには様々な効果があり大変有用です。
ただし、継続は力なり、続けることが重要となります。
毎日、習慣的にストレッチをすることが望まれます。

ストレッチの場合は上記のメリットに加え、単純に気持ち良い、リセットされたような感覚が得られるため継続されやすい運動です。
ランニングやウォーキング、筋トレは非常に健康的な習慣ですが、何か目標がなければなかなか継続できません。
ストレッチぐらいならという気持ちで始めてもらい、お風呂上りに10分程度伸ばすことができれば十分です。

ストレッチの方法についてはこちらの動画を参考にしてください。
(痛みのない範囲でお願いいたします。)

最後までお読み頂きありがとうございます。
NOVAST®ではストレッチの専門家が正しいストレッチ方法を皆様に伝えています。
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