臨床だけに関わらず、良い人間関係を築くことが人生を豊かにする秘訣と感じています。ここでは私がいつも気をつけている人間関係構築法について書いていきます。参考になれば幸いです。
相手を尊敬すること
年齢、性別、仕事、趣味などの違いがあっても、人間の尊厳に関しては違いがないことを受け入れる礼節を持つこと。
相手を信頼すること
常に相手の行動の背後にある善意を見つけようとして、根拠を求めず無条件に信じること。
協力する意識をもつこと
目標に向けて仲間と合意できたら、共に問題解決の努力をすること。
共感すること
相手の関心や考え方、感情や置かれている状況などに関心をもつこと。
同情ではなく共感することが重要
同情とは
同情と共感は違います。
同情すると、落ち込んでいる相手は依存を始め関係が悪化してしまいます。
同情は、憐みから始まるため、支配する側と、支配される側に分かれてしまいます。
同情される側は相手に依存的になりますし、同情する側も頼られる自分に達成感を覚え始めます。
この状況が続くと、最終的に相互依存の関係になり、感情的にもつれあうこともあります。
関係が修復できなければ、仲違いという最悪の事態になりかねません。
共感とは
共感は関心が相手にあります。
共感は、互いの立場が対等です。
相互信頼、相互尊敬が成立します。
相手も目で見て、相手の耳で聞き、相手の心で感じることで相手の立場に立つことができるということです。
共感すると、お互いの心の距離が近くなります。
一方、同情は関心が自分自身に向きます。相手の立場に立たず、ただ可哀想に思ってあげている自分に酔っているだけなのです。
共感は信頼関係があるので、たとえ相手が依存しそうになっても自分をコントロールできます。
同情はただ憐んでいる優位な立場を保ちたいため感情のコントロールができなくなりがちです。
大切なのは、相手目線の共感の意識を持ちつつも、必要以上に相手に入れ込みすぎないこと。
どんなに健康になりたくても、病院で治療を受けるだけでなく、自分自身の意識の改革ができないと、いつまでも調子を崩してしまう生活習慣から抜け出ることが出来ずに症状が長引いてしまうのと同じように、身体のケアにおいても大切なことではないでしょうか。