主介護者の方へ 在宅生活 移動について ①

在宅生活について

こんにちわ。野々川です。今までは回復期病棟での入院生活について話してきました。その話も区切りがつきましたので、これからは病院を退院した後の在宅生活での話をしていきたいと思います。

今回は「在宅生活 移動について」です。何もなしで歩ける方に関しては部屋に手すりの設置することは基本的に必要はないかと思います。在宅生活において、何かに掴まって移動しないと転倒の危険性がある方、且つ、車イスでなく歩いて移動する方は手すりの設置や歩行補助具の使用を検討する必要があります。

自宅の中でよく課題となる箇所 (能力的・体力的に課題となる)

在宅生活を目指すうえで課題となりやすい箇所があります。それは、

  1. 玄関アプローチ
  2. 上がり框
  3. 寝室
  4. 浴室
  5. トイレ

になります。①・②では二つとも段差の乗り降りが主な課題、③・④・⑤はそれぞれ別の課題が出てきます。

①玄関アプローチ・②上がり框が課題となる場合

①玄関アプローチと②上がり框が課題となるのは、共通して段差の乗り降りです。

玄関アプローチと上がり框の段差は、ただ昇り降りできるだけでは課題クリアとはなりません。

玄関アプローチや上がり框の段差を上るタイミングは外出から帰ってきたタイミングです。つまり体力が減ってきたタイミングで玄関アプローチや上がり框の段差を上ることができるかということです。体力が減っているタイミングでも、より安全に段差を上ることができるように手すりの設置を検討します。上がり框の段差が大きい場合は段差を二つに分けて一つ一つの段差の高さを小さくするようにもしたりします。

また、上がり框に関しては靴の脱ぎ履きも課題となりやすいです。立ったまま靴を脱ぎ履きできるには相当なバランス能力が必要です。なので基本的に座ったままの靴の脱ぎ履きを提案します。上がり框の段差が高い場合は上がり框に座って行いますが、そうする場合は上がり框から立ち上がることが必要です。低い段差からの立ち上がりは意外と難しいものです。手すりの設置やリハビリにて対応します。上がり框の段差が低い場合は玄関先にイスを用意していただき椅子に座って靴の脱ぎ履きを提案します。

 

 

③寝室、④浴室、⑤トイレにて課題になるそれぞれの理由

③寝室、④浴室、⑤トイレにて課題になる理由はそれぞれ違います。

③寝室が課題となるのは、寝室に伝える環境ではない場合やもともと布団で生活していた場合です。まずは単純に支えなしで移動できるか・支えなしで床から立ち上がれるかというところです。それから昼間は良くても夜間の動きがどうかというところも重要になってきます。年を重ねれば重ねるほど昼間と夜間の動きの差が大きくなりやすいです。自分が働いている病院でも一つの動きを評価する際は昼間の動きと夜間の動きを違うものとして評価しているほどです。寝室の移動に関しては、寝床を寝室の入り口付近に移動したり据え置き型の手すりなどを、床から立ち上がりではベッドへの変更や立ち上がり際に利用できる手すりなどを提案させていただきます。

④浴室が課題となるのは、浴室内に支える環境ではない場合や浴槽への出入り、シャワーチェアーからの立ち上がりです。当然ですが浴室の床は濡れているため転倒のリスクが高いです。そのため多くの場合は浴室に手すりの提案をします。浴槽への出入りやシャワーチェアーからの立ち上がりでは浴槽の縁と同じ高さのシャワーチェアーを提案することがあります。浴槽への出入りが立ったままでは足が引っかかってしまい転倒の危険がある際は座ったまま浴槽が跨げるようにシャワーチェアーを使用します。また、市販で売っているシャワーチェアーでは座面が低く立ち上がりにくくそのまま滑って転ぶなんてこともあり得ます。浴槽の縁と同じ高さであれば座面の高さもあり背もたれや肘置きまでありますので安全に立ち上がることができると思います。

⑤トイレが課題となるのは、トイレが広く支えになるものがない場合と夜間にトイレに行く場合です。トイレは基本的に壁に手が届くので壁伝いでの歩きができればいいのですが広い場合は伝える環境にするため手すりの設置を検討します。夜間の移動に不安が強い方はポータブルトイレの購入や夜間のみオムツを使用するなどを提案します。ポータブルトイレやオムツの処理についてはご家族が対応することになります。毎日のことであり身内の下の世話をすることになりますので多少の覚悟が必要になるかもしれません。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

次回は”主介護者の方へ 在宅生活 移動について ②”という記事を書かせて頂こうと思っております。

ではまた!!

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NOVAST®インストラクター

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