こんなに変わってた!機能性栄養学の進化!

医学や栄養学は日々進化しており、10年前の常識が今では否定されたりすることがあります。

私も医療従事者の端くれですが、すでに多くのことが変わっていて、うっかり古い情報をアドバイスしてしまうことがあったので、これはまずいと思い日々勉強をしています。

今回はこれまでの栄養学を古典的栄養学、そして新しい栄養学を機能性栄養学または予防栄養学として捉え、大きく変わったところを紹介します。

なお、今回の記事はYouTubeでも紹介していますので、併せてご覧いただけましたら幸いです。

7大栄養素

これまで5大栄養素と言われていたものが7大栄養素になりました。

マクロ栄養学では3大栄養素の糖質、脂質、タンパク質のカロリー計算を主体として栄養の配分が計算されていました。

そして、ビタミンとミネラルといった重要な微量栄養素を加えて5大栄養素として考えられてきました。

もちろん今でも病院や施設では管理栄養士さんがこのカロリー計算や微量栄養素を加えて利用者様の食事メニューを組んでいると思います。

それぐらいゴールドスタンダードとして定番になっているわけです。

しかし、近年の重要な論文ではカロリー計算やビタミン欠乏症、ミネラルバランスの不良というだけではなく、『フィトケミカル』や『食物繊維』の重要性が強調されています。

これらについてはまた別の記事で詳細に解説していきます。

脳のエネルギー減

脳のエネルギーになるのはブドウ糖(グルコース)のみというのが通説でしたが、脂肪酸を分解してできる『ケトン体』も脳のエネルギーとして使われることがわかりました。

ケトン体はこれまで悪者として扱われていましたが、たくさんの健康効果があるということで見直されています。

このケトン体をエネルギー源とする食事法をケトジェニックダイエットといって以前に紹介していますので、是非ご覧ください。

【ケトジェニックダイエットで健康長寿社会を目指そう】

コレステロールの制限

2015年、厚生労働省はコレステロール摂取の上限値を撤廃しました。

必要なコレステロールのうち、身体のなかで合成される量が70~80%あり、食事から摂取するのは20~30%しかないということがその理由です。

さらに、食事で摂取した量が多かった場合、合成される量がそれに合わせて減少するため、血中コレステロールの値は変わらないそうです。

つまり、以前のように卵を一日一個までにしなくても、いくらでも食べてもコレステロール値は変わらないんです。

ただし、卵は他の栄養価も高いので、現実的には4個ぐらいまでにすると良いかと思います。

逆に、いくら卵を制限したところで、コレステロールを下げることができないということでもあるのでご注意ください。

コレステロールについてはリンゴやゴマなどのスーパーフードを摂取したり、ビタミンB群の積極的な摂取がお勧めです。

なお、コレステロールが高いことはそれほど問題ではなく、どちらかというと血糖値や中性脂肪が高いことが動脈硬化や心臓病の原因となる場合が多いことが分かってきました。

超加工食品の問題

超加工食品というのは一般家庭では行えないような食品添加物の加工がなされたものを言います。

例えば人工甘味料や香料、着色料、増粘剤、乳化剤、pH調整剤、○○エキスなどといったようなものがそれに当たります。

食品添加物が認可された背景には肝臓のP450という解毒システムで代謝され、人体には無害だからという説明がされます。

しかし、現在の食品は添加物だらけになってしまい、添加物×添加物の量がP450のキャパシティを超えているそうです。

ですので、なるべく避けた方が良く、自然な食品を摂取することでデトックスした方が良いようです。

超加工食品は腸に穴をあけるリーキーガット症候群とも関係しています。

こちらも後日詳述しますのでお楽しみに!

強負荷の運動から低負荷、中負荷の運動へ

アスリートの方は限界を突破して頂くために強負荷の運動が必要かもしれませんが、一般の方の健康を考えると低負荷・中負荷の運動が望ましいということでした。

関節軟骨は再生することができず、消耗品です。

再生医療はまだまだ研究段階ですので、関節の負荷が強くならないように可能な範囲で運動することが重要です。

ビタミンDについて

ビタミンDはこれまで骨折予防の栄養素として考えられてきましたが、癌の予防や免疫の増強、糖尿病の改善など様々な効果があることが分かってきました。

パンデミックにより免疫能については多くの方がご興味を持つことになったかと思います。

ビタミンDはコロナウイルスやインフルエンザウイルスにも負けない免疫能を身につけるためにも必須の栄養素と言えます。

ビタミンDはシイタケを食べることが重要ですが、食事からの摂取だけでは不十分です。

日光に当たることで皮膚が活性型のビタミンDを合成できるので、シミやそばかすに注意しつつ日光に当たるようにしましょう。

睡眠は7~8時間が妥当

これまで6~8時間が推奨されてきましたが、6時間では脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積してしまいます。

アミロイドβはアルツハイマー病の原因となる物質です。

睡眠時に起こるレム睡眠やノンレム睡眠がこのアミロイドβを洗い流しているということが分かってきました。

また、6時間睡眠の人は少し酔っぱらっている人と同程度の脳機能しか使えていないそうです。

しっかり7~8時間眠ることが必要です。

 

今回はざっと古典的栄養学から機能性栄養学への変化を紹介しました。

これらはほんの一部ですので、少しずつシェアしていきたいと思います。

また、個別のご相談は中村が個人的に運営しているホームページ『エッセンシャルヘルスケア』にて無料で行っています。

お気軽にご利用ください。

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